ここでは、ネットワークエンジニアの年収について調査。平均年収や大企業と中小企業を比較しどのような点が違うのか、また年収をアップするにはどうすればよいのかについて解説します。
厚生労働省の2023年(令和5年)賃金構造基本統計調査のデータによると、ネットワークエンジニア(通信技術者)の平均年収は558.3万円でした。ソフトウェア作成者の557.6万円よりもやや高いですがそれほど大きな差はありません。
これがシステムコンサルタント・設計者になると、平均年収684.9万円となり100万円以上の差が出てきます。
ネットワークエンジニアの業務は経験・スキルにより分かれますが、上流工程のシステム設計やコンサルタント業務を担当するようになると年収アップが期待できるということになります。
ネットワークエンジニアの平均年収を企業規模別(10~99人/100~999人/1,000人以上)に比較してみました。中小企業より大企業の方が年収が高くなることがわかりますが、大きな差があるのは年間賞与=ボーナスです。
これは大企業の方が体力があり、中小企業より大きな利益を得ていることが考えられます。パートナー企業が多く売上高が高い、中小企業よりも人材が集まりやすく採用コストが抑えられるなど利益を増大する仕組みが報酬の高さに表れます。
ボーナス=利益分配金とは限りませんが、企業が利益が出せない場合はボーナス支給額を抑えることが考えれます。中小企業の方が日々忙しく、仕事のやりがいを感じやすい部分がありますが企業の体力面に関しては大企業の方が上です。
厚生労働省が運営する職業情報サイト「jogtag」が2023年にまとめた資料によれば、ネットワークエンジニアも含むシステムエンジニア(基盤システム)のスキルレベル別給与は以下のようになっています。
ITSSレベル1~2 | 420.0万円 ~ 620.0万円 |
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ITSSレベル3 | 450.0万円 ~ 700.0万円 |
ITSSレベル4 | 500.0万円 ~ 780.0万円 |
ITSSレベル5以上 | 600.0万円 ~ 950.0万円 |
ITSSレベルとは高度IT人材育成を目的に作成されたもので、レベルは全部で7段階。2002年に経済産業省が策定し、2024年以降はIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が管理しています。
以下のように、レベル1~2は基本的知識・スキルを有するレベルで、レベル3~4は独立した作業ができる中級者レベル、レベル5以上はプロフェッショナルとして専門分野のスキルをマスターしている上級者と考えるとわかりやすくなります。
情報技術に携わっており最低限必要な基礎知識がある。
上位者の指導の下で要求された作業が担当でき、プロフェッショナルとなるために必要な基本的知識・技能がある。
要求された作業を全て独力で遂行できる。スキルの専門分野確立を目指し、プロフェッショナルとなるために必要な応用的知識・技能がある。
プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、自らスキルを活用することにより、独力で業務上の課題の発見と解決をリードできる。
プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内においてテクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードできる。
プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内外において、テクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードできる。
プロフェッショナルとし てスキルの専門分野が確立し、社内外において、テクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードできる。
ネットワークエンジニアはITスキル以外にも年収アップのためにできることがあります。どのようなことがあるのかまとめてみましたので、参考にしてみてください。
ネットワークエンジニアは上流工程を目指しますが、技術的なスキルアップだけでは企画・設計を任されるようにはなれません。プロジェクト全体をまとめ、動かすためにはコミュニケーション力やマネージメント力が求められます。
自分ではスキルアップしたと考えていても客観的にそれが認められなければ評価されません。自らのスキルを証明するためには資格を取得する方法がわかりやすく、企業によっては資格手当が支給され年収アップにもつながります。
自分のスキルを評価してくれる企業への転職も年収を上げる方法の一つです。大企業に在籍していたとしてもポジションに空きがなく上流工程を目指せない場合もあります。また、小回りの利くベンチャー企業でチャレンジするのもよいでしょう。
年収平均の調査データは参考にはなりますが、統計的な数字であってすべてが見えるわけではありません。中小企業より大企業の方が年収が高い傾向にあるのは確かですが、中小企業でも大企業並というケースもあります。
ネットワークの設計・構築・運用・保守・監視の経験
評価制度は2軸と5グレードに分かれており、賃金テーブルを設定しているため、わかりやすい仕組みになっています。
1年間の成長に対する自己評価、上司や顧客からの評価、顧客や自社への貢献など、多角的な視点から公正に評価しています。
「頑張った人には頑張った分の評価をします」ので、1年で月額5万円以上昇給する社員もいます。
中小企業と大手企業の年収には一般的に差がありますが、単に年収だけに注目するのではなく、仕事内容や働き方のバランスも考慮することが重要です。大手企業では高収入が期待できる反面、激務でワークライフバランスが損なわれる可能性があります。一方で、中小企業は柔軟な働き方が可能で、スキルを活かして成長しやすい環境を提供する場合もあります。
年収の高さだけでなく、自身のライフスタイルやキャリアプランに合った企業規模や働き方を選ぶことで、より充実したキャリアを築くことができます。自分にとって最適なバランスを見つけることが、長期的な満足度につながるでしょう。
最先端インフラ技術を追求しながら、グローバルな視野でエンジニアの成長を支えるITソリューション企業。
社員一人ひとりの挑戦を尊重し、技術力だけでなくキャリアや生き方の多様性にも寄り添う環境を提供しています。