ここでは、ネットワークエンジニアの勤務時間について解説します。平均残業時間や夜勤・休日出勤などネットワークエンジニア特有の勤務形態についてもリサーチし、改善するため必要なことをまとめました。
ネットワークシステムは一般的に24時間稼働し、ネットワークエンジニアとしての業務も休みなく発生します。そのため、勤務時間が9時~17時では対応が難しく、シフト制を採用している会社が少なくありません。
かつては、長時間労働が当たり前で、IT業界は残業や休日出勤が多いイメージがあります。しかし、2019年4月に政府主導の働き方改革(働き方改革関連法)により、長時間労働是正の方向性が示されたことで、現在は改善傾向にあります。
とはいえ、ネットワークシステム稼働の事情から不規則な労働時間になりがちです。休日出勤して平日に代休をとるなど調整できたとしても、いかに上手にワーク・ライフ・バランスをとるかという課題はあります。
求人情報のdodaが2024年1月に発表した91職種・平均残業時間のデータによると、ネットワークエンジニアの残業時間/月は22.1時間となっています。全職種の平均残業時間21.9時間と比べても大きな差はありません。
その他、サーバーエンジニアが22.8時間、データベース/セキュリティエンジニアが20.5時間ということから、IT業界に勤務するエンジニアが他業種よりも残業時間が多いとはいえないことがわかります。
ただし、24時間稼働のネットワークシステムの運用・保守を行うために、シフト制により夜勤や休日出勤が発生するのもネットワークエンジニアの仕事の特徴です。労働環境改善のためには、どのような理由で残業・休日出勤が発生するのか知っておく必要があります。ここでは職種ごとに平均残業時間(月)を紹介します。
全職種平均 | 21.9時間 |
---|---|
アプリケーションエンジニア | 21.1時間 |
ネットワークエンジニア | 22.1時間 |
サーバーエンジニア | 22.8時間 |
データベース/セキュリティエンジニア | 20.5時間 |
働き方改革によりIT業界の長時間労働は減少していますが、残業や休日出勤がゼロになったわけではありません。そこで厚生労働省の調査を参考に、ネットワークエンジニアが残業・休日出勤しなければならない理由について解説します。
IT人材の長時間労働削減に向けた実態調査(厚生労働省)によると、「不明瞭な仕様」がポイントが最も高く長時間労働につながる影響が強いとしています。設計段階で仕様が明確に決まっていないと、システムがうまく機能せずその対応にも時間がかかります。
長時間労働に影響しやすいもう一つが「短すぎるプロジェクト期間」です。これは厳しすぎる納期と言い換えてもよいでしょう。顧客や依頼側はシステムの早期立ちげを希望しますが、納期を優先しすぎると残業や休日出勤が多くなり、ミスなど品質低下も懸念されます。
上記理由の2つにネットワークエンジニア特有の事情を加えるとすれば、作業時間が限られるケースがあることです。業務に関わるネットワークシステムは日中にアップデートや設定作業ができず夜間や休日に行います。そこでトラブルが発生すればさらに作業時間が長くなります。
ネットワークエンジニアの残業・休日出勤を減らすにはどうすればよいのでしょうか。解決のために各エンジニアができることはスキルを上げることです。ここではスキルの内容について解説します。
ネットワークエンジニアとしての技術スキルが上がれば、システム構築の時間が短縮できます。プログラミングスキルを磨いて作業的業務を効率化できれば、不具合やトラブルも発生しにくくなり労働時間の削減が可能です。
上流工程に携われるようになった場合は、コミュニケーション力が重要です。顧客や依頼者と良好な関係を保ちつつ、開発側のことも考えて余裕をもったスケジュールになるように交渉したり調整するにはコミュニケーション力が必要です。
プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダークラスになるとマネジメント力が問われます。対外的な調整の他にもプロジェクトの各チームが連携してシステム完成へ向け一つの方向に進んでいくためには全体を統括するマネジメント力が重要です。
以上のことから、残業・休日出勤をできるだけなくして長時間労働を避けるためにネットワークエンジニアは上流工程にこだわったキャリアアップを積むことです。また、上流工程を任される立場になれば年収もアップも期待できます。
ネットワークエンジニアの残業や休日出勤は、特有の業務形態や不明瞭な仕様、厳しい納期などによって発生します。これを減らすには、上流工程に携われるスキルや立場を目指すことが重要です。具体的には、技術スキルを磨き効率化を図ること、顧客やチームとの調整を円滑に行うためのコミュニケーション力を強化すること、さらにはプロジェクト全体を統括するマネジメント力を高めることが求められます。
上流工程での業務は、残業削減だけでなく、キャリアアップや年収アップにもつながります。労働環境を改善しながら専門性を高めるためには、自身のスキルを向上させ、戦略的にキャリアを積むことが鍵となります。
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