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エンジニア歴20年のベテランが語る、「技術」より大切なこと

Engineer
信頼で人を動かす。技術を超えて成果を出す流儀
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長田さん
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エンジニア歴20年の長田氏。現在はラ・ハイナで、公共系の大規模プロジェクトにサブPMとして参画しています。数々の現場を経験してきた彼が大切にするのは、単なる技術力ではなく、いかにして「信頼」を築き、チームで成果を出すかという普遍的な哲学でした。

橋渡し役としてプロジェクトを円滑に進める視点、トラブルを未然に防ぐ設計の極意、そしてフルリモートでも連携を生む工夫まで。ベテランならではの仕事術に迫ります。

プロジェクトの潤滑油。エンジニア歴20年で挑む、初の「サブPM」という役割

現在、大型のお客様とのプロジェクトに参画されているとのことですが、どのような役割を担っているのでしょうか?
長田さん

公共系のプロジェクトにサブPM(サブプロジェクトマネージャー)という形で入っています。ネットワークメンバーやサーバーメンバーの橋渡し役として、プロジェクトが円滑に進むように動くのが主な役割ですね。

これまでのキャリアでも、設計や構築の現場で多くの課題を乗り越えてこられたかと思います。特に印象に残っている「苦労した経験」はありますか?
長田さん

そうですね、設計フェーズから参画したプロジェクトで、機器選定の見積もりが甘く、このままでは複数のポイントでボトルネックや輻輳(ふくそう)が起きると発覚したことがありました。

当時は、機器の再選定や構成変更を提案し、お客様に納得いただくための膨大な説明資料作成や調整に奔走しました。かなり苦労しましたが、結果として大きなトラブルを未然に回避でき、非常にやりがいを感じたのを覚えています。

また、新しい技術の採用がマストな案件で、ノウハウが乏しい中、実機での検証を繰り返して一つずつ課題を潰していったことも、今の自分の糧になっていますね。

「同じ年代がいない」からこそ貢献できる、今の会社で見つけた新たな使命

ラ・ハイナにはどのような経緯で入社されたのですか?
長田さん

求人媒体がきっかけです。何社か面談する中で、地方在住なのでリモートで働きたい、といった私の条件に一番合っていたのがラ・ハイナでした。

また、面談で「私と同じ年代の経験者が社内にいない」という話を聞いて。若い会社だからこそ、自分の経験を活かして貢献できることがあるのではないか、と感じたのも大きな決め手でしたね。「力を貸してほしい」という言葉をいただき、頑張ってみようと思いました。

現在の現場には、ラ・ハイナの他のメンバーもいらっしゃるのですよね。仲間と働く楽しさはありますか?
長田さん

はい、若いメンバーも一緒にいます。これまで一人で現場に入ることが多かったので、仲間がいるのは本当に楽しいですね。

この業界、特に派遣という働き方だと、なかなか仲間と一緒に働く機会がないんです。だから今の現場の若い方には、「こういう環境はすごく幸運なことなんだよ」と話したりもしています。

信頼関係こそが、最高の財産。スキル以上に大切な「人」への向き合い方

お客様から「あなたに任せてよかった」と言われることも多いそうですね。
長田さん

ありがたいことに、以前の会社を辞める際に、お客様から記念品をいただいたこともあります。市役所の方々だったのですが、6年ほどご一緒する中で、異動された方がまた戻ってきたりと、何度も一緒に仕事をして。

難しい局面を共に乗り越えたことで、単なるベンダー以上の信頼関係を築けたのかなと思います。

そこまで信頼される秘訣は、どこにあるのでしょうか?
長田さん

エンジニアに限った話ではないかもしれませんが、まずは「人として信頼してもらうこと」を第一に考えています。以前、コミュニケーションに課題がある前任者の後を引き継いだ際も、まずは技術の話より、私がどういう人物かを知ってもらうことから始めました。

技術的な課題であっても、実はお客様の協力が不可欠なケースは多いんです。日頃から雑談を交えて困りごとを伺い、「この人なら頼れる」という関係性を作っておく。そうすることで、何かあった時にワンチームで動けるようになるんです。

トラブルを最小化し、価値を最大化する設計の極意

技術的な側面についても伺わせてください。ネットワーク設計を行う際、長田さんが最も意識しているポイントは何ですか?
長田さん

「ユーザーの要件」を何よりも大切にしています。業種によって、セキュリティが最優先なのか、通信の継続性が重要なのか、求められる期待は全く異なりますから。

その上で、将来の拡張性を常に意識しています。将来新しい機能を追加しやすくしておくことで、後々の提案や導入がスムーズになり、結果としてお客様の信頼に繋がります。「導入して終わり」ではなく、メンテナンス時にもサービスが止まらないよう、先回りして配慮するのがプロの仕事だと思っています。

トラブルシューティングの際も、独自のルーティンがあるのでしょうか。
長田さん

まずは事象を正確に掴むこと。局所的なのか全体なのか、継続しているのか。そして何より、困っている方へのヒアリングを重視します。専門用語をなるべく使わず、分かりやすく状況を確認する中で、原因のヒントが見えてくることが多いんです。

実際の調査では、自分の判断に固執して客観視できなくなるのが一番怖いです。だからこそ、あえてマニュアルや手順書を順守し、ミスリードを防ぐようにしています。

フルリモート環境で貫く、ベテランならではの「一手先」を読む気配り

入社後の2年間はフルリモート環境での苦労もあったと伺いました。
長田さん

はい、最初はかなり悩みましたね(笑)。自分の強みである関係構築が活かしづらくて。でも、その経験があったからこそ、今のリモート術が身につきました。

具体的にどのような工夫をされているのですか?
長田さん

言葉だけでなく、必ず図や絵を交えて画面共有しながら説明する習慣をつけました。また、テキストコミュニケーションでは「いつまでに回答が欲しいか」「急ぎなのか」といった重要性を必ず添えるようにしています。

相手のスケジュールを意識し、急なMTGでストレスを与えないよう事前に情報を共有する。そんな小さな積み重ねが、リモートでの円滑な連携を生むのだと実感しています。

「困った時に、顔が浮かぶ人」でありたい。

長田さんが考える「リーダーシップ」とは、どのようなものでしょうか?
長田さん

「困った時に、この人に相談すれば何とかなる」と思われる存在であること。私自身が解決できなくても、「解決できる人を知っている」というチャンネル(人脈)を持っていることも大事。結局は「人の繋がり」なんです。

これから成長していく若手エンジニアに、まず身につけてほしいものは何ですか?
長田さん

まずは基本ですね。IP通信やプロトコルの理解といった技術の土台と、納期を守る、報連相をするといった仕事の基本。

その上で、どんな些細な依頼でも期限を確認することや、ドキュメント作成能力を磨くことを勧めています。分かりやすい構成図や手順書を作れる人は、現場で圧倒的に重宝されますから。あとは、常に新しい情報をキャッチアップし続ける習慣ですね。

全員をハッピーにできるのが一流のエンジニアである。

長田さんが思う「一流のエンジニア」とは、どんな人物ですか?
長田さん

技術と人間関係を駆使して、関係者全員が「良いものができたね」と納得できる形に収められる人です。

今後は、ネットワークの深い知識に加え、クラウド(AWS/Azure/GCP)やセキュリティ、そしてPythonやAnsibleによる自動化のスキルも必須になっていくでしょう。AI連携なども含め、私自身もまだまだ学びたい領域がたくさんあります。

20年のキャリアがあっても、まだ先を見据えていらっしゃるのですね。
長田さん

「チームが自走できる仕組みを作る」という、究極の効率化にはまだあと7〜8年はかかりそうです(笑)。でも、いろいろな業種を経験してきたからこそ、どんなお客様に対してもその業務知識に合わせた最適なアプローチができる。それが私の強みだと思っています。

これからも技術と人間力の両輪で、関わる人全員をハッピーにしていきたいですね。

編集チームより

「どんな仕事でも楽しまないともったいない」インタビューを通して、この言葉が深く心に残りました。ご自身の専門外である困難なプロジェクトでさえも、決して嫌な顔を見せずに引き受けるその寛大さ。

最新のSD-WANやAI技術への探求心を忘れない一方で、何よりも「人としての信頼」を重んじる。長田さんのようなベテランがいる安心感こそが、ラ・ハイナの強さそのものだと感じました。